最近ではイチローの通算安打記録が、米大リーグ記録(ピート・ローズの4256安打)とは別に「プロ野球における通算最多安打数」としてギネスブックへの掲載が決まった。今後ホールドの条件が日米で同一となればという仮定の話だが、いつの日か山口の記録が「日本の第一人者」として注目される可能性はあるかもしれない。

 日米で記録の付け方が違うのは、ホールドに限った話ではない。米国では以前からスコアに大差つき、守備側が走者に無関心だった場合の「盗塁」に対し、記録を認めていなかったが、日本では2008年から明文化された。また、今でも自責点の付け方は大きく異なる。日本は走者が得点した時点で自責点かどうかを判断するが、米国ではイニングを終えてから「失策や捕逸などがなかったと仮定しても、その後に走者が投手の責任で得点したかどうか」を基準にして判断する。このため「日本の投手の方が自責点は少なくなる」傾向にある。

 日本のプロ野球がホールドを公式記録として扱い、救援勝利と合わせた「ホールドポイント」として中継ぎ投手にも表彰のチャンスを与えることは、「苦労人に報いる」素晴らしいことだと感じる。日米の条件差を埋め、きちんと比較の対象とできる日が待ち遠しい。

(文=日刊スポーツ・斎藤直樹)