女子の方では、最も活躍が期待されるのはやはり、この1年で日本のエースに成長した土居美咲。初戦でアメリカの新鋭ルイザ・チリコと当たり、そこを突破すれば、第15シードのカロリーナ・プリスコバとの対戦となる。なお両者は今週の前哨戦でも対戦し、その時はプリスコバが勝利した。

 昨年まで日本のトップを走っていた奈良くるみは、ここ最近はやや調子を落としている。だが奈良の強みは、重要な試合に照準を合わせる調整力。2013年の全米オープン以降、昨年の全豪オープン以外は全て2回戦以上に勝ち上がっている。今大会で一つでも勝ち星を手にし、再浮上のきっかけをつかんで欲しいところだ。

 昨年末にランキングを急上昇させ、今季からグランドスラムの常連となった日比野菜緒は、全豪、全仏に続き、またも初戦でシード選手のアンドレア・ペトコビッチと当たる厳しいドロー。とはいえペトコビッチは、膝や足首に慢性的な不安を抱えていることもあり、必ずしも崩すのが難しい選手ではない。持ち味の粘り強さと勝利への執着心で、悲願のグランドスラム初勝利を狙う。

 なお、18歳の新鋭大坂なおみは、残念ながら膝のケガのため今大会は欠場する。

(文・内田暁)