もうすぐ夏本番。子どもたちの夏休みも間近。とはいえ、中学受験を控えている子にとってはこの夏休みは受験生活の大きな山場となる。親にとっても、はじめての受験であればなおさら、「この夏休みに成果を上げさせなくては」と気合いが入るのではないだろうか。『AERA with Kids 夏号』(朝日新聞出版)では、そんな受験生のスケジュール管理のコツを紹介している。

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 アドバイスするのは、中学受験専門の個別指導教室「SS-1」で代表を務める小川大介さん。今までに数多くの受験生を難関中学に送り込み、母親たちの受験相談にも乗る今人気のカリスマ講師だ。

 受験生の夏休みは、まずは塾の夏期講習に参加し、多くの課題をこなすことがメインになるが、小川先生はここに警鐘を鳴らす。

「塾の夏期講習は、個々の子どもの能力を考えているわけではなく、たくさん勉強をやらせるようにカリキュラムが組まれています。トップ層は構いませんが、既習部分に不安がある子は注意が必要です」
 
 親としては、塾のカリキュラムをこなすことが最低条件だと思いがちだが、実際には消化不良を起こしている子どもが多いのが現実だという。それは、子どもの頑張りが足りないわけではなく、塾が与えるカリキュラムの量に、現在の子どものレベルが合っていないからだという。それを調整するのは、やはり近くにいる母親しかいない。

「既習部分に不安があるなら、あまり欲張らないことがコツです。何でもかんでも全部やろうとするとうまくいかない場合もあります。算数なら基本だけ、『速さ』だけなど、対策したいことを選んで学習計画を立てましょう。もし苦手分野がわからなければ、塾の先生に『最優先の3つはどれですか?』と尋ねて絞ります」(小川先生)

 塾の先生にそんなことを聞いていいの? と思うかもしれないが、あくまで主役は自分の子ども。塾の言いなりになるのではなく、子どもが夏に学力を伸ばすためには、どのペースですすめればいいかを考えて、と小川さん。

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AERA dot.編集部
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