ハマ弁は、おかずとごはんのセットで1食360円となっており、日替わりのおかずは2種類から選べるようにした。ご飯の量も調整可能だ。さらにオプションとして牛乳(80円)や汁物(30円)を注文することもできる。ホームページには写真付きのメニュー表が公開されており、「煮込みハンバーグ・スウィートキャロット」「たらのカレームニエル・スウィートキャロット」といった日替わりのメニューが並び、一部の保護者からは「この内容で360円は魅力的」という声もある。

 横浜市で中学生の子を持つ共働き世帯の親にとっては“朗報”とも言えるが、問題は実際に食べる側の中学生が満足できるかどうかだ。栄養バランスに配慮し、ハマ弁というネーミングで独自性を打ち出してはいても配達弁当であることには変わりない。市はごはんと汁物は温かい状態で提供するものの、現時点ではおかずは冷たいままとする方針だ。

 大阪市では、食中毒を防止するため冷たいおかずを配達する形での給食を2014年から実施しているが、中学校を視察した議員が「給食じゃなく餌」と生徒に酷評されたことを議会で明かし、当時の橋下市長が「もし僕の子供がこんなこと言ったら僕は大激怒しますよ」と反論したことで話題になった。同年に市が行ったアンケートでは7割以上の生徒が給食を残していたとのデータもあり、冷たいおかずに対する生徒の反応はシビアだ。

 横浜市が力を注ぐハマ弁は、冷たいおかずであっても生徒を満足させることはできるのか。これが頓挫すれば、中学校給食を求める親の声に「当面は独自弁当でしのぎたい」という市の思惑が破綻することにもなりかねない。7月から実際に食すことになる中学生の“判定”に注目が集まる。(山田功)