この男性に限った話ではなく、ネット上では「自分も応援上映に当たって困ったことがある」「知らずに入ってしまって映画に集中できなかった」との声が散見される。

 過去にも似たような問題は発生している。ディズニーの大ヒット映画『アナと雪の女王』でスクリーンに表示される歌詞に合わせて観客が歌える「みんなで歌おう版」を実施したこともあった。観客たちが「ありの~ままの~」と合唱して楽しめるのだが、その一方で「隣のお客さんに『静かにして』と注意された」といった周知不足によるトラブルもネット上で報告された。

「最近になって始まったばかりの鑑賞スタイルであるため、スタッフの案内や映画館での告知が不十分な面がある。また、最近はネット予約などによって券売機でチケットを発券する人も多く、なかなか告知を行き届かせるのが難しい部分もあります。今後、応援上映が定着して認知度が向上したり、映画館側が対応を練っていけばトラブルは徐々に減るでしょう。ただ、ゆっくり映画を見たいと思ってきたのに巻き込まれたお客さんにとっては大問題ですから早急な対策が必要といえます」(都内の映画館スタッフ)

「応援上映」は観客にとっても映画界にとっても無限の可能性を秘めた新機軸であるだけに、無用なトラブルが起こらないよう対策を期待したいところだ。(ライター・別所たけし)