多種多様なランドセル…どうやって選べばいいの?
多種多様なランドセル…どうやって選べばいいの?
PERONI(ヴェローチェ)フィレンツェ500年の伝統技術を受け継ぐペローニのランドセル。丁寧になめされた革にゴールドの装飾がクラシックな印象。¥172,800
PERONI(ヴェローチェ)
フィレンツェ500年の伝統技術を受け継ぐペローニのランドセル。丁寧になめされた革にゴールドの装飾がクラシックな印象。¥172,800

 ピンクにブルーにパープル……最近の小学生が背負っているランドセルは多種多様だ。色だけでなく装飾もきらびやかで、昔に比べてサイズも大きくなった気がする。一体ランドセルに何が起きているのだろうか。百貨店やメーカー20社に取材を行なったというキッズファッション誌「sesame(セサミ)」編集部に話を聞いた。

【超高級ランドセルからリュックタイプまで、写真はこちら】

 今年最も話題になったのが、高級車レクサスが発表したランドセルだ。軽量で丈夫な新素材ソフトカーボンと最高級の人工皮革で作られており、お値段は15万円! 高級ランドセルはこれだけではない。土屋鞄製造所の「軽井澤」は、高級牛革に職人技を凝らした数量限定品で14万円。イタリアのレザーブランド「ペローニ」のランドセルは、なんと17万超えという高級品だ。さらに、ファッションブランドのディーゼルキッズも30周年を記念して、15万円ほどのランドセルを発売する予定だという。

「人気の価格帯は5万5千円~6万5千円ほどですが、昔に比べて確実に値上がりしました。スポンサーは祖父母という家庭が多く、高級志向が高まっている一方で、高級化に反対する動きもあります。お手頃価格のリュックタイプを指定する学校も見られるようになりました」(sesame編集部)

 数年前から、やはりサイズも大きくなっているという。2011年の学習指導要領改定でA4サイズの教科書が増え、A4クリアファイル対応のランドセルが主流になった。最近は、さらに1センチほど大きいA4フラットファイル対応のランドセルが増えつつあるという。サイズが大きくなればもちろん値段は高くなり、重くなる。そこで、肩ベルトを可動式にして重みを分散させたり、へりに出っ張りがないキューブ型という縫製でスマートに見せつつ軽くするなど、さまざまな工夫がなされている。また、人工皮革の場合は本革よりも200グラムほど軽い。

「昔は天然革が主流でしたが、今は人工皮革に変わってきました。本革に比べると200グラムほど軽いです。人工皮革のデメリットとして劣化しやすいことが挙げられますが、コーティングによって強度を増したり、エンボスなどのおしゃれな表面加工によって傷を目立たなくしたりと、安っぽい人工皮革のイメージは払拭されてきています。人工皮革が大きく進化したことで、爆発的にデザインが増えました。一方で、2、3年前から天然革の良さも見直され、発色の良いカラーも増えて人気の傾向にあります。素材、色、デザイン、本当にバリエーションが豊富になりました。ファッション志向と同じように、ライフサイクルや好みによってランドセルを選べるようになっています」(同)

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