RBライプツィヒは金満だからというだけではなく、このように商魂たくましいところが嫌がられている。ドイツサッカーの伝統の破壊者というわけだ。選手たちはアウェイ戦のたびに敵サポーターから罵倒され、チームバスには札束(もちろんフェイク)が投げ付けられ、監督のラルフ・ラングニック(当時はSDと兼任)にはスタンドからビールのコップが飛んでくる始末。嫉妬が憎悪にまで転じた一部のサポーターは「お前らをぶっ殺す」とのバナーを掲げ、嫉妬を隠したい人間は「伝統のかけらもないチーム」とあざ笑った。RBライプツィヒの嫌われエピソードは枚挙にいとまがない。

 ちなみに、2015-16シーズン開幕前に経済紙『ハンデルスブラット』が報じたところによると、2部クラブ全体が補強に投じた額は合計2530万ユーロ(約31億円)。そのうち1560万ユーロがライプツィヒの懐から出たものだった。ほかの17クラブが費用工面に四苦八苦するなか、ライプツィヒはブレーメンからFWダヴィー・ゼルケを800万ユーロでポンと買い、同時に嫉妬も買った。

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