試合前の練習中、選手に声をかけるDeNAのラミレス監督 (c)朝日新聞社
試合前の練習中、選手に声をかけるDeNAのラミレス監督 (c)朝日新聞社

 プロ野球は5月31日から、12年目を迎えるセ・パ交流戦が始まった。昨年まで過去11年で、09年を除いてパ・リーグが10度の勝ち越し。特に昨年は、リーグ全体で61勝44敗3分けの勝率5割8分1厘と過去最高をマークした。オリックスを除く5球団が勝ち越し、逆にセ・リーグ球団は4球団が負け越した。このデータを踏まえ、交流戦開幕前はパ・リーグ優勢が予想されていた。しかし、序盤の1週目を終えた6月6日現在では、セ・リーグが17勝18敗1分けとほぼ五分の健闘。首位には5勝1敗の巨人西武と並ぶ2位タイにも4勝2敗のDeNAが食い込むなど、例年以上にセ球団が目立っている。

 巨人は交流戦開幕から5連勝(リーグ戦を含むと今季初の6連勝)と、好スタートを切った。7連敗でセ・リーグ5位にまで沈んだ後、一つ勝って臨んだ交流戦開幕戦(オリックス戦)。右肩故障で出遅れたが、チームを長年支えてきた主砲、阿部慎之助が今季初出場した。阿部は5番指名打者として、復帰3打席目で決勝の逆転2ラン本塁打。プロ16年目で初めて、シーズン初出場の試合で一発を放った。

 阿部は05年から毎年必ず本塁打を放つなど、交流戦に強い。この本塁打は、中村剛也(西武)の67本に次ぎ、村田修一(巨人)と並ぶ史上2位タイとなる交流戦通算51号。交流戦でも開幕戦はさらに得意としており、45打数20安打の打率4割4分4厘。リーグ最少得点に悩むチームに、開幕51戦目にして長打力を吹き込んだ。復帰5戦目となった6月4日の日本ハム戦。4―4の同点で迎えた6回、またも決勝アーチを右翼席へ運んだ。この結果、セ・リーグで5位まで沈んでいたチームが、あっという間に首位奪回。いかに、阿部の打線に与える影響が大きいかを証明した。

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