チーム内における重要度がより高かったのは、ハノーファーの清武弘嗣だ。右足中足骨の怪我により、ドイツでの4シーズンでは最少の21試合出場に留まったものの、卓越したボールコントロールや高精度のパス、FKを武器に攻撃陣の大黒柱として躍動した。残留を逃したチームとは対照的に、清武自身は来季も1部の舞台に留まるとの見方が強い。新天地候補に上がるのはUEFAチャンピオンズリーグに出場するレバークーゼン、ヨーロッパリーグに参戦するヘルタ・ベルリンなどだ。

 流石だったのは長谷部誠。本人は右サイドバックで出場した際の出来を反省しているようだが、チームプレーを優先する自己犠牲の精神を忘れず、アルミン・フェー前監督とニコ・コバチ新監督の期待に応え続けた。フランクフルトのフィールドプレーヤーでは最多となる31試合に先発出場した事実が多くを物語っている。

 今季のブンデスリーガで最も株を上げた日本人選手に言及するなら、ヘルタ・ベルリンの原口元気が真っ先に挙がる。スピード豊かなドリブルでカウンターの威力を高めただけでなく、労を惜しまない守備も特筆に値した。

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