その長友と対照的に、インテルは前半戦で好発進。ミランダとジェイソン・ムリージョというセンターバックの新戦力を中心とした鉄壁の守備で、開幕から5連勝を飾る。前半戦は9試合がウノゼロ(1-0)と、得点力こそないが守備の力で白星を積み重ね、第18節までは首位を保っていた。

 だが、前半戦最終戦を落として首位での折り返しに失敗すると、続く8試合でわずか2勝。自慢だった守備も後半戦は26失点を喫している。終盤までCL出場の可能性もあったが、第36節ラツィオ戦を落として万事休す。ヨーロッパリーグ出場権は得たが、5年ぶりのCL復帰はかなわなかった。

 一方で、長友は後半戦にレギュラーの座を奪還。19試合中12試合で先発出場した。たびたびサイドバックのメンツを入れ替えてきたマンチーニ監督も、最後は長友とダニーロ・ダンブロージオをレギュラーに固定した。長友は春に契約を延長。3年契約は、クラブの評価の表れだ。

 それでも、マンチーニ監督の長友への評価が激変したとは言い難い。指揮官は来季も新たなサイドバックが加わることを望んでいるとされ、すでにトルコ代表ジャネル・エルキンの加入が濃厚とも言われている。長友は再び、いばらの道を行くことになるかもしれない。

次のページ