反対に、最も効率が悪かったのは、4億1100万ポンドを投下したマンチェスター・C。66ポイントを獲得して4位でシーズンを終えたが、1ポイントあたり「約620万ポンド」を投資したことになる。

 一般的に、ビッグクラブは巨費をかけて強化を図ることから「費用対効果」だけで論じるのはフェアではないが、同ランク19位のチェルシーが1ポイントあたり「約600万ポンド」、18位のマンチェスター・Uが「約590万ポンド」、16位リバプールの「約420万ポンド」、15位アーセナルの「約320万ポンド」という数字を見れば、「約70万ポンド」のレスターが成し遂げた偉業の大きさは際立つ。「奇跡のリーグ優勝」と言われる所以だ。

 そのレスターの戦いぶりは、猛者が集うプレミアリーグの中で最も安定感があった。通算成績は23勝3敗12分。「23勝」も「3敗」もリーグトップの成績で、得点数「68」はリーグ3位、失点数「36」もリーグ3位タイと、王者に相応しい数字が並ぶ。

 得点王争いでも、24ゴールを奪ったヴァーディが、1位のハリー・ケイン(トッテナム)と1点差の2位につければ、17ゴールを挙げたマフレズも5位にランクイン。このアルジェリア代表MFは11アシストも記録し、同ランクで5位に入る。英誌『Four Four Two』によれば、中盤を取り仕切ったエンゴロ・カンテも、175回のタックルと157回のインターセプトでリーグトップの数値を叩き出した。

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