パラグアイ戦では五輪に向けた不安要素が複数露呈。手倉森監督は五輪本番までにどのように立て直すか。(写真:Getty Images)
パラグアイ戦では五輪に向けた不安要素が複数露呈。手倉森監督は五輪本番までにどのように立て直すか。(写真:Getty Images)

 世界各地の23歳以下代表10カ国で争われるトゥーロン国際大会の初戦が現地5月21日に行われ、リオ五輪に臨むU-23日本代表は初戦でU-23パラグアイと対戦し、1-2で敗れて初戦を落とした。5カ国によるグループリーグは中1日のハードスケジュールで4連戦となるため、40分ハーフで交代はGKも含めて5人というレギュレーション。リオ五輪のグループリーグが中2日での3連戦のため、今大会は格好のシミュレーションになる。ターンオーバー制を採用して選手を休ませながら、いかに戦力を落とさずに戦うかも焦点だ。

 日本はMF遠藤航(浦和)とMF橋本拳人(FC東京)がACLのため招集を見送り、直前のJ1リーグでDF奈良竜樹(川崎F)が左すねを骨折。FW久保裕也(BSCヤングボーイズ/スイス)もケガのため不参加と、相変わらず手倉森ジャパンはケガ人続きだ。そして不安はこの試合でも的中した。今大会は選手にとってリオ五輪のメンバー18人に残るためのサバイバルレースであり、手倉森監督にとっては選手の見極めの場となる。

 まずは懸案の右DF。アジア最終予選に参加した松原健(新潟)と室屋成(FC東京)は負傷中で、5月11日のガーナ戦で積極的な攻撃参加を見せた伊東幸敏(鹿島)は今回招集外。このため右DFのスタメンにはガーナ戦で出番のなかったファン・ウェルメスケルケン際(FCドルトレヒト/オランダ)が、3月のU-23メキシコ戦以来2度目の出場を果たした。しかし効果的な攻撃参加を見せられなかっただけでなく、クロスもほとんど上げられない。パスを受けてもタテに出すかバックパスの繰り返し。そして18分、ワンタッチで植田直通(鹿島)に出したバックパスは勢いが弱くコルマンにカットされ、カウンターからバエスに先制点を決められてしまった。

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