8連覇を決めた内村航平(撮影・末永裕樹)
8連覇を決めた内村航平(撮影・末永裕樹)

 第55回NHK杯体操の男子個人総合が5月5日、代々木第一体育館で開催され、内村航平(コナミスポーツクラブ)が優勝し、同大会8連覇を飾った。準優勝には加藤凌平(同)、3位には田中佑典(同)が入った。今大会はリオデジャネイロ五輪の代表選考も兼ねており、これにより加藤の日本代表入りが決定。すでに代表に決定していた内村に続く、2人目の代表選手となった。

リオ五輪の代表に決まった加藤凌平(撮影・末永裕樹)
リオ五輪の代表に決まった加藤凌平(撮影・末永裕樹)

 4月に行われた全日本選手権では優勝するも、珍しく大きなミスをしてしまい、大会後には「自分に怒りを感じる」と話していた内村。「NHK杯では(周りの人に)大丈夫だと思ってもらえるような演技をしたい」と誓っていたが、今大会はまさにその言葉通り、王者らしい圧巻の演技を披露した。

 得意種目のゆかでは高さのあるタンブリングで着地をピタリと決め、15.900点の高得点。絶好のスタートを切ると、続くあん馬、跳馬、平行棒でも15点超えの完成度の高い演技を披露した。最終種目の鉄棒でも、高難度の離れ技を全く危なげなく決めてみせ、着地まで完璧に近い形でまとめる。得点は16.150点。合計得点で2位と4.5点以上の差をつける、圧倒的な勝利となった。

 内村は鉄棒で優勝を確定させると、カメラに向かってゼッケン下に書かれている「本、がんばって!」の文字を指さしてみせるパフォーマンスを披露。長崎県出身の内村は、会見でも九州で頻発する地震についてふれ、次のように話した。

「九州で大きな地震が頻繁に起こっているのですごく不安な人もたくさんいると思う。今日は鉄棒の演技の後にゼッケンの『熊本、がんばって!』のところを指さしてエールを送ったんですが、五輪でもいい演技をして、皆さんに元気を届けられたらと思います」

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