ともあれ、4月の戦いは終わった。だが前田にとってのメジャー1年目はまだまだ続く。メジャーデビューからの1カ月で、月間ないし年間のタイトルを狙う力があることは証明した。後はライバル次第だが、ルーキー部門で強敵となりそうなのは、やはり前述のストーリーだろう。打者天国のロッキーズ所属だけに、今後もホームラン量産の可能性は大いにある。

 そのほかでは両リーグ2位の打率.405をマークしたアレドミス・ディアス(カージナルス)にも注目。現時点で投手には前田以外にめぼしい新人が見当たらないため、新人王争いはタイプの違う2人の好打者との争いになりそうだ。もっとも5月や6月にメジャーデビューして新人王に輝くスーパールーキーも出るのがメジャーリーグの奥深さではあるが…。

 月間MVP、そしてサイ・ヤング賞という視点からは、好スタートを切ったアリエッタと、その同僚で防御率0.75のジェイソン・ハメル、そして前田のチームメイトのクレイトン・カーショーらがライバルになるだろう。彼らとの切磋琢磨で、前田がより高みへ達することを願うばかりだ。