通算2000安打を達成し、花束を手に声援にこたえる広島の新井貴浩選手=26日、神宮球場、遠藤啓生撮影 (c)朝日新聞社
通算2000安打を達成し、花束を手に声援にこたえる広島の新井貴浩選手=26日、神宮球場、遠藤啓生撮影 (c)朝日新聞社

 プロ野球のセ・リーグは、広島が3連勝で首位に立った。週の頭(26日)に勢いをつけたのが、ベテラン新井貴浩内野手の通算2000安打達成。プロ野球47人目の偉業だが、残してきた記録には新井の生き様が詰まっている。

 新井のドラフト指名順位を振り返る。98年ドラフト6位。この年のドラフトは、松坂大輔(横浜高→西武)が目玉となった、いわゆる「松坂世代」が最初に指名対象となった年だ。高校生が8人もドラフト1位指名された(広島1位は東出輝裕=敦賀気比高)。大学生には上原浩治(大体大)がおり、二岡智宏(巨人2位)や宇高伸次(近鉄1位)、藤井彰人(近鉄2位)の近大勢も注目されていた。

 さらに、社会人には福留孝介(日本生命→中日)、岩瀬仁紀(NTT東海→中日)、小林雅英(東京ガス→ロッテ)がおり、豊作と言える。そんな中で新井は広島の6位指名だが、ドラフト5位までに指名を打ち切った球団も阪神、西武、オリックス、ロッテ、ダイエーと5球団もある。新井への注目度が高かったとは、言えないだろう。

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