個室の入り口部分にドアはないが、リクライニングを倒してしまえば、ほぼ姿が見えることはないという。室内には鏡が取り付けてあるので、メイク落としやパックなんかも人目を気にせずできる。女性にとってうれしいポイントだ。

 コクーンの壁は体に沿うような形状になっているので、そういった点も含めて、大柄な人よりかは女性向けの車両と言えるかもしれない。現在は東京―名古屋間、東京―大阪間で運行している。

 一方、シートはもちろん、明かり、音楽、香……さまざまなアプローチでバスをリラックス空間にしたのが、中国バスが運行する高速バス「ドリームスリーパー」。横浜と広島を結ぶこのバスはのコンセプトは「快眠バス」だ。

 まずこだわりのひとつは、シート。素材には、寝具メーカーの昭和西川が開発した「ムアツふとん」を使用している。点で支える構造なので身体が沈み込み過ぎず、血行も妨げないため、穏やかな眠りが期待できるという。シートは2列、パーテーションで区切られており、プライベート空間も確保できる。

 バス車内には「ウェルカムアロマ」がたかれている。これは快眠セラピストが選んだ香で、100%天然精油を使っているとのこと。質の高い香りに癒やされそうだ。車内照明には「癒やし」「安眠」効果があるとされるさくら色のLEDを使用しており、眠るまでの時間もリラックスして過ごせるよう配慮されている。

 また地味にうれしいのが、床がカーペットなっているという点。高速バスで靴を脱いでスリッパに履き替えても、固い床ではいまいちくつろげない、という人も多いのでは。足元が柔らかいというだけで、安心感は高まりそうだ。これだけ充実装備のバスが横浜―広島間のみの運行というのは惜しいが、一度は利用してみたいバスのひとつだろう。

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