チキンスープをベースにした、緑(菜の花)・黄色(卵)・赤(トマト)・黒(きくらげ)の色味がきれいなひと皿。もっと血を補いたい場合はにんじんを、めぐり力をアップするなら三つ葉などをプラスしてもOK(週刊朝日ムック『正しく付き合う漢方2016』より/撮影:刑部友康)
チキンスープをベースにした、緑(菜の花)・黄色(卵)・赤(トマト)・黒(きくらげ)の色味がきれいなひと皿。もっと血を補いたい場合はにんじんを、めぐり力をアップするなら三つ葉などをプラスしてもOK(週刊朝日ムック『正しく付き合う漢方2016』より/撮影:刑部友康)

<br />薬膳料理研究家・国際中医師・国際注意薬膳師の新開ミヤ子先生(週刊朝日ムック『正しく付き合う漢方2016』より/撮影:刑部友康)

薬膳料理研究家・国際中医師・国際注意薬膳師の新開ミヤ子先生(週刊朝日ムック『正しく付き合う漢方2016』より/撮影:刑部友康)

「薬膳」と聞くと「特殊な食材を使った中華料理」「家庭で作るのは難しそう」「からだには良さそうだけどおいしくないのでは」というイメージを持つ人も少なくないはず。しかし中国の伝統医学がベースとなっている実際の薬膳は、季節やからだの状態に合わせて、毎日の食卓にとり入れやすい身近な食材を使ってバランスを整える料理です。

 薬膳生活を始めてみようという人にまずおすすめなのが、スープ料理。ベースのスープさえあれば、それぞれの季節に体調を整える食物を簡単に食べられるからです。食材を切ってお鍋に入れるだけ、と調理方法も簡単で比較的短時間でできるのも魅力。

 特に、エネルギーの消費を抑えていた冬から一転、あらゆる生き物が活動的になる春は、急な変化にからだが追いつかず不調になることも多い季節でもあります。春におススメの食材を取り入れたスープ料理で、解毒効果を高め、冬にためこんだ脂肪や老廃物をデトックスしてください。

■「からだのめぐりを取り戻す」きくらげとトマトとあさりのスープ

【材料…4人分】
チキンスープ…3カップ
きくらげ(生)…約80グラム(乾燥なら約8グラムを水で戻して使う)
トマト…1個
あさり…約200グラム(砂出ししておく)
菜の花…4本
卵…1個
塩…適宜
こしょう…少々

【作り方】
(1)きくらげは石づきを取り、食べやすい大きさに切る。トマトは湯むきして皮を取り、半分に切って種を除いたら、8ミリ角に切っておく。菜の花はさっと塩ゆでして食べやすい大きさに切る。

(2)鍋にチキンスープ、あさり、きくらげを入れてふたをし、中火にかける。あさりが開いたらトマトを加えて塩・こしょうで味を調える。

(3)沸騰させて溶き卵を細く流し入れ、火を止めたら菜の花を加える。

●豆知識●
黒きくらげは血を補い、めぐらせ、浄化する働きがあります。栄養価が高く、食物繊維も豊富でお通じを良くします

※週刊朝日ムック『正しく付き合う漢方2016』より抜粋

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