【湯島天神】


頭脳明晰(めいせき)であった菅原道真を祭る受験の神さまとして名高いが、実は菅原道真を祭る前から天之手力雄命(アメノカジカラヲノミコト)がお社には鎮座している。この神さまはパワーの神さまで、勝負事、スポーツの神さまとしてよく知られている。この2柱を祭ることから、湯島天神は、就職祈願にも御利益があると古くから伝わっている。「就職お守」だけでなく「資格勝得守」を授与されていて、知る人ぞ知る就活祈願のスポットでもある。なお、本殿の背後に戸隠神社も祀られていて、こちらも天之手力雄命が鎮座する社なので参拝をお忘れなく。

【柳森神社】
市井の娘から3代将軍・家光の側室になり、さらに5代将軍・綱吉の実母という地位にまで上り詰めた桂昌院が、信心していたという「福壽稲荷」が境内に祀られている。この出世話にあやかりたいと、仕事関連祈願の多い神社である。社務所がないので、特にお守りなどの授与はない。

●赤坂・六本木エリアでのおすすめ

就活祈願のスポットとしてご紹介する場所選びを悩んでしまうほど、たくさんの寺社が残っている場所である。

【日枝神社】
今年の干支・サルが守護する神社でもあり、いろんなものを結んでくれる神さまである。「ビジネス守り」が授与されていて、仕事関係の祈願の多い神社である。

【愛宕神社】
23区内で一番高い山(標高25.7メートル)の上に鎮座する社。本殿に登る男坂と呼ばれる階段は、「出世の石段」と言われている。これは、この石段を馬で登ってみせた一介の武士・曲垣平九郎が、将軍家光の目に止まり出世した、という逸話によるもの。名刺サイズの「勝運御守護」という金箔(きんぱく)お守りが就活向けによいとか。

●渋谷・新宿エリアでのおすすめ

【明治神宮】
初詣の参拝者数日本一を誇る神社だが、平成25年から「就職成就守」が授与されるようになった。御苑の中(入場には御苑維持協力金が必要)にある清正井は「仕事が舞い込む」スポットとして訪れる人も多い。

【金王八幡】
もともとは渋谷城があった場所だが、春日局が乳母を務めていた3代将軍・徳川家光を将軍にという祈願成就をした神社として有名となった。現在の社殿は春日局からの寄進である。本殿も「職に就く」ことに御利益があるとして知られているが、境内にある玉造稲荷社も金運の神さまとして名高い。

【代々木八幡宮】
いくつもお願い事を持ち込むのではなく、ただひとつの願い事ならかなえてくれる神社として知られているため、本殿に就職祈願をするのもよし。また境内にある出世稲荷神社は仕事に転機をあたえてくれる社として知られている。こちらに祈願すると人気が出るということで、芸能人がひそかに訪れるパワースポットとしても有名だ。

 長い就活期間中、落ち込んだ時の気分転換のため神社めぐりもよいのではないだろうか。(文・写真:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)

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鈴子

鈴子

昭和生まれのライター&編集者。神社仏閣とパワースポットに関するブログ「東京のパワースポットを歩く」(https://tokyopowerspot.com/blog/)が好評。著書に「怨霊退散! TOKYO最強パワースポットを歩く!東東京編/西東京編」(ファミマ・ドット・コム)、「開運ご利益東京・下町散歩 」(Gakken Mook)、「山手線と総武線で「金運」さんぽ!! 」「大江戸線で『縁結び』さんぽ!!」(いずれも新翠舎電子書籍)など。得意ジャンルはほかに欧米を中心とした海外テレビドラマ。ハワイ好き

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