日本女子はメダルを逃したものの、それぞれの力を出し切る演技だった。

 宮原はショートで、すべてのジャンプを降りたものの回転不足が1つあり6位発進。

「普段の練習ほど思い切り跳べていなかった」と反省すると、フリーはすべてのジャンプを成功するアグレッシブな演技で、210.61点で総合5位となった。

 また浅田は、ショートのトリプルアクセルは転倒したものの、フリーでは再び挑み、なんとかこらえた。フリーは『蝶々夫人』の叙情溢れる曲にあわせて、艶やかに舞う。高い演技構成点をマークし、総合200.30点で7位となった。

「今季は休養あけで、色々なことがあったシーズンでした。思うように結果が出なくて、復帰しないほうが良かったのかな、と思う時期もありました。でも考え方を変えて、自分が表現したいもの、伝えたいものを、ファンの皆さんに感じとってもらうことをしようと。それは今日の演技では出来たかなと思います」

 そう話すと、納得の表情でうなずいた。

 本郷はショートはパーフェクトの演技をみせ7位発進。フリーは、『リバーダンス』の軽やかなリズムにのり、生き生きとした演技をみせる。総合199.15点での8位となった。

「憧れの選手達との試合なので楽しんでやろう、と思ったことで緊張も吹っ切れて、笑顔になれました」
と満面の笑みをみせた。

 女子は、エフゲニア・メドベデワ(ロシア)が、ショートは3位と出遅れながらも、フリーで150.10点の世界記録を出し、総合223.86点で優勝。アシュリー・ワグナー(米国)がショート4位からの大逆転で銀メダル、アンナ・ポゴリラヤ(ロシア)が銅メダルと、3人とも初の世界選手権メダルを獲得する快挙だった。

 女子は1~8位までにロシア、米国、日本がひしめく結果に。1つのミスで順位が大きく入れ替わる、3国拮抗の激戦だった。

文=野口美恵