3月21日に開かれた防衛大学校の卒業式。式の最後に、帽子を投げ上げて退場する卒業生(c)朝日新聞社
3月21日に開かれた防衛大学校の卒業式。
式の最後に、帽子を投げ上げて退場する卒業生(c)朝日新聞社

 幹部自衛官にならない者は卒業式には出させない――3月21日、幹部自衛官を養成する防衛大学校(神奈川県横須賀市)では卒業式が行われた。今年の防大卒業生は419人(留学生を除く)、うち自衛官の任官を拒否したのは47人。これは昨年のおよそ倍だ。

 任官拒否した47人は、卒業式への出席を許されず、同級生たちと帽子を放り投げる"晴れの場"に出ることなく、私服に着替えて裏門からひっそりと学校を後にしたという。

「平成25(2013)年度の卒業生から、任官を辞退した学生(任官拒否者)は卒業式には参加しておりません。卒業式前日に校長室で卒業証書を授与されます。卒業式では私服に着替えて任官した同期生の見送りをして学校を後にする人が多い」(防大広報)

 14年に防大を卒業して一度任官したが、民間企業に転じた都内在住の会社員(25)はこう話す。

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