「アグネス論争」からはや30年。「受験に恋愛は必要です!」で新たな論争を呼ぶか?
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「アグネス論争」からはや30年。「受験に恋愛は必要です!」で新たな論争を呼ぶか?

 東大に息子三人を合格させた佐藤ママが「受験に恋愛は不要です!」と発言したことが話題となったが、この意見に真っ向から反論するのは、『スタンフォード大に三人の息子を合格させた50の教育法』(朝日新聞出版)を出版したばかりの、アグネス・チャンだ。

 長男を出産した当時、テレビ局に乳児を連れていったことからその是非をめぐって数々の論争を巻き起こした「アグネス論争」からはや30年。三人の息子に恵まれたアグネス・チャンは、なんと三人とも世界大学ランキング3位に位置するスタンフォード大に三人を合格させる、という快挙を成し遂げていた。ちなみに、東大のランキングは43位(THE 世界大学総合ランキング2015-16より)。その差は歴然だ。

 小さいころから絵本を大量に読み聞かせる、三人の子どもたちを比べないなど、佐藤ママとアグネス・チャンの教育法の類似点は多い。

 しかし、最大の違いは「受験に恋愛は不要です!」と言い切った佐藤ママに対し、アグネス・チャンは、「恋愛は大切な受験経験」ととらえていることだ。

 頭の良さはもちろん、内面の充実も重視してきたアグネス・チャンにとってこれは自然なことらしい。異性との付き合いを否定すると、子どもは恋愛に対して臆病になってしまい、健全な男女関係もつくりにくくなってしまうからだという。

 そのため、子どもが9歳ぐらいになるごろから男女のホルモンの違いを話し、それが思春期特有のイライラにもつながることを説明し、中学生になる前には性教育もきちんとしたという。中学生になってからは、健全で安全なセックスについても話し合ったというから、かなりオープンな家庭だったといえる。三人の息子は、みなアメリカの高校に留学しているが、日本を発つ前には「No Drinking, No Drugs, No Babyね!」といって送り出したという。

 スタンフォード大をはじめ、海外の名門大学に合格するためには、頭の良さはもちろん、願書やエッセイなどでいかにいろいろな経験を積んできたかが重要視される。スポーツや音楽、ボランティア、コンテストなどの受賞歴なども重要な要素になるという。

「日本のようなペーパーテストで合格が決まるわけでないので、一発逆転はありえないのです。つまり、その子の人生すべてを見て入学の可否を決めるのです。でも、これからの日本もこの方向にシフトしくはず。とすれば、これからの教育は、国際基準に合わせていかないと、子どもたちは世界ではもちろん、日本でも活躍できないと思います。」(アグネス・チャン)

「テストを乗り越えるために、恋愛は禁止!」というのはもはや古い、というわけか。