試合終了後、肩を落とす「なでしこジャパン」(撮影・六川則夫)
試合終了後、肩を落とす「なでしこジャパン」(撮影・六川則夫)

 リオ五輪の女子アジア最終予選リーグの3日目は3月4日、3試合が行われ、なでしこジャパンは中国に1-2で敗れて勝ち点を伸ばせず、本大会出場は絶望的となった。

 日本は次戦で勝ち点0の格下ベトナムと7日に対戦するが、たとえ勝利しても同日に行われる中国対韓国戦で中国が勝つか、引き分ければ予選敗退が決定する。

 これが中1日の連戦による短期決戦の難しさなのだろう。2月29日のオーストラリア戦に1-3と完敗すると、3月2日の韓国戦もGKのキャッチミスから失点して引き分け、そして4日の中国戦も2点を先制される苦戦を強いられた。

 この3試合で痛感したのは、“なでしこ”らしさをまるで発揮できなかったことだ。攻撃ではショートパスを自在につないで相手を翻弄し、なおかつ疲弊させて後半のアドバンテージに持ち込む。守備では前線からのプレスに加えてバイタルエリアにブロックを作り、簡単にはシュートを打たせない。そんな試合運びが3試合ともできなかった。

 中国戦では相手FWに簡単に前を向かせてシュートを許し、58分にはグ・ヤシャにミドルシュートを決められた。中国の先制点は、阪口なのか田中なのか、それともGK福元なのか、誰に出したのか意思が感じられないMF川村のバックパスをチャン・ルイに奪われて決められた。

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