海王丸と新湊大橋をバックにポーズを決めるみーちゃん(写真提供:青塚茂樹さん)
海王丸と新湊大橋をバックにポーズを決めるみーちゃん(写真提供:青塚茂樹さん)

 “ネコノミクス”は港町の富山県射水市にも? 同市内を巡る「新湊観光船」の副船長に三毛の“みーちゃん”が着任して以来、客足が好調らしい。冬場は土日のみの営業だったが、3月1日から平日運行がスタートしたばかり。ねこ副船長は1日に1回程度、乗船しているとのこと。みーちゃんの案内で水上観光を楽しんでみた!

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 ねこ副船長は3歳のメス。「みーちゃん」と呼ぶと、「ニャッ」と返事をする。体の大部分が白く、尻尾と頭が茶と黒で、目は薄い金色、なかなかの美猫だ。カメラを向けても怖がらない。営業部長の木村雅彦さんから「連れて一緒に乗って」といわれ、抱き上げた。初対面の人に対する警戒心ゼロだ。お腹をなでても怒らず、ピンク色の肉球も“ぷにぷに”させてくれた。とにかく、人懐っこい! 

 船が出港した後、足元が揺れても全く怖がらず、甲板と船内を行ったり来たり。船の上部に乗ってカモメに向かって「ニャ~」と絶叫し、飛び降りて甲板でころ~ん。見ている方は「海に落ちたらどうしよう」と内心ヒヤヒヤだ。猫用のライフジャケットを持っているそうだが、最近ちょっと太って、きつくなったらしい。この日は着用していなかった。船長さん曰く「ほっといても大丈夫。勝手に遊んでいるよ」とのことだ。

 新湊観光船は、大型練習帆船「海王丸」が停泊している海王丸パークを出港し、日本海側最大級の斜張橋・新湊大橋の下をくぐって、射水市内を流れる内川をゆったりと進む。内川沿いの「川の駅 新湊」でお客さんを下ろした後、みーちゃんはホッとしたのか、ライフジャケットが積み上げてあるスペースで居眠りを始めた。つくづく自由なねこ副船長である。本日の任務は終了らしい。

 観光船の事務所にみーちゃんが現れたのは2013年11月のこと。海王丸パークには時々、子猫が捨てられており、そのうちの一匹だった。木村さんは、子猫だったころのみーちゃんを思い出し、口元を緩めた。

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