「あぶない刑事」のコラボポスター。神奈川県警(左)と富山県警が作成したもの。
「あぶない刑事」のコラボポスター。神奈川県警(左)と富山県警が作成したもの。

 「タカ&ユージ」が全国の警察署を席巻している――全国各地の警察署が貼り出している、映画『さらば あぶない刑事』との“コラボポスター”が大きな話題となっている。

 この映画は「あぶデカシリーズ」の最終作で、2月10日までに観客動員数60万人を突破するなど大ヒット中だ。物語は、横浜・港警察署捜査課の刑事、舘ひろし(65)が演じる「タカ」こと鷹山敏樹と、柴田恭兵(64)が演じる「ユージ」こと大下勇次が、定年退職を迎える「最後の5日間」を設定している。

 「あぶデカ」はなぜ本物の警察とコラボしたのか。配給元の東映によると、同社が公開前に全国にタイアップ・ポスターの制作を呼び掛け、32道府県の警察本部がこれに応じたという。警察が“あぶデカ人気”に乗ったというべきか。

 ポスターには、各警察本部が考えたキャッチコピーと、「タカ&ユージ」のポスタービジュアルが使われている。神奈川をはじめ、山梨や岩手、北海道、島根は複数のパターンを製作。ポスターの種類は全42種類にも及ぶという。こうして作られたポスターは、全国各地の警察署や交番などに提示され、犯罪や事故防止に目を光らせているのだ。

 そのキャッチコピーもかなり凝っている。「犯罪よ!さらば 家族の合言葉で 振り込め詐欺にサラバだぜ!」(群馬県警)、「さらば万引き 知っている? 万引きって犯罪だぜ 人のものを取る前に、家族に見られても大丈夫な行動を取ろう!」(神奈川県警)といった具合に、「タカ&ユージ」の口調をまねている。

 真面目な路線では、「さらば薬物 断る勇気」(山梨県警)といった、覚せい剤所持容疑で逮捕された元巨人・清原和博容疑者に聞かせてあげたいようなものも……。

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