さらに驚くべきは、訪日中国人の4人に1人がデジタル一眼レフを購入しているという事実だ。ご存じの通りかなりの高額商品ではあるが、「日本で買っておくべきもの」としても48%が一眼レフを推している。

 意外なのは「買っておくべきもの」には一切ランクインしていなかったにもかかわらず、「実際に購入したもの」では9位に入っている目薬だ。そもそも中国では、目薬は基本的に眼科で医者から処方してもらうものという考え方が根付いており、ドラッグストアなどで気軽に買うことができる目薬の種類が少ないのだという。中国にあまりないもので、値段的にもさほど高額でなく、なによりも「日本製は本物で安全」という評判もある。爆買い商品としてはもってこいの品といえるのだ。

 他にも冷却材や頭痛薬なども人気だ。中国のネット上では「12の神薬」と呼ばれる日本で買うべき医薬品の情報が大量に流されており、ドラッグストアでは中国語で「12の神薬」と書かれた看板や張り紙を出している店舗が増えているため、目にしたという人も多いだろう。

 こうしてみると、中国人の「爆買い」は日本の安全神話に対する信頼感から生まれているともいえる。中国だけでなくその他アジア諸国のインバウンド消費がもたらす経済効果を失わないためにも、この信頼が失われるような行為は謹んでほしいものだ。

※レートは、調査実施時の2015年12月9日時点(1元=18.9円)で算出している