「こんな年金じゃ不安で仕方ない」

「生活が苦しい」

 と、お金の話をその老人は、延々と語った。

 最後に、「預金はどのくらいあるの?」と、尋ねた。

 なかなか言いたがらない。

 でも、最後に4000万の預金があることが判明した。

「何があるか分からないから、それは崩したくない」という話だった。

 なかったら不安なのがお金。

 でも、あっても不安なのもお金。

 そして、なくても気にならない人もいれば、あっても気になる人がいる。

 最近、趣味に、「預金」とか、「副業」とかが結構アンケートの上位に来たりする。

「かつて、趣味って、お金を使うものだったよね。今は、お金を使わないことが趣味になる時代なんだ……」

 と、友人の経営者が驚いていた。

 自分にとっても、他人にとってもごきげんなお金の使い方ができるのが私の理想。

 なかなか奥深い。

 ただひとつわかっていること。

 いくら持っていても、持って死ねない。

 生きているうちにどう使うかが大切。

 とはいえ、いつまで生きるか、何が起こるかわからないから、使い方に悩む。

 お金とごきげんに付き合いたい。