ゴールを決めて喜ぶ東福岡の選手たち(c)朝日新聞社
ゴールを決めて喜ぶ東福岡の選手たち(c)朝日新聞社

 第94回全国高校サッカー選手権大会の決勝戦が1月11日、埼玉スタジアム2002(さいたま市)で行われ、東福岡(福岡)が5-0で国学院久我山(東京A)を下し、2連覇した1998年度大会以来17年ぶり3度目の優勝を果たした。そのユニフォームの色から「赤い彗星」と呼ばれる名門校が、昨夏の全国高校総体に続き“夏冬”の2冠を達成し、4144校の頂点に立った。

 前半は東福岡が試合を優位に進めた。フィジカルの強さ、華麗なパスワークで中盤を支配し、何度も相手エリア内に進出する。攻勢をかける東福岡に対し、国学院久我山も集中して守っていたが、36分、エリア内でボールを持った東福岡の藤川虎太朗(2年)が右から走り込んだ三宅海斗(3年)に流し、三宅が左足で先制ゴールを決めた。

 後半開始早々、東福岡は山大輝(3年)がエリア手前で倒されてフリーキックを獲得。このフリーキックを中村健人(3年)が直接ゴール左サイドに突き刺し2点目を挙げた。さらに、22分には餅山の今大会4得点目となるゴールでリードを広げ、3分後の25分には藤川が追加点、35分にも中村が5点目のダメ押しゴール。多彩な攻撃で翻弄し、粘る相手を5発で沈めた。

 広島皆実(広島)、前橋育英(群馬)、青森山田(青森)などの強豪を破り、初めて決勝に駒を進めた国学院久我山だったが、総体王者に完敗を喫した。得意とするパスサッカー、渋谷雅也(2年)や名倉巧(2年)のドリブル突破など、持ち味を発揮する場面もあったが、今大会1失点の鉄壁守備を誇る相手を崩せなかった。

◆東福岡の今大会勝ち上がり◆

1回戦 3-0遠野(岩手)
2回戦 3-1新潟明訓(新潟)
3回戦 0-0(PK4-3)市立船橋(千葉)
準々決勝 1-0駒澤大(東京B)
準決勝 2-0星稜(石川)
決勝 5-0国学院久我山(東京A)

(ライター・嶋中貴史)