青学大が箱根駅伝「2連覇」。写真はアンカーの渡辺利典(c)朝日新聞社
青学大が箱根駅伝「2連覇」。写真はアンカーの渡辺利典(c)朝日新聞社
青学大の原晋監督(c)朝日新聞社
青学大の原晋監督(c)朝日新聞社

 第92回箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)の復路が1月3日に行われ、青山学院大が2年連続の総合優勝を飾った。往路1区から復路10区までを1位でつなぐ、大会史上39年ぶりの完全優勝だった。

 前日の往路で、2位の東洋大と3分以上の差をつけていた青学大。復路の山下り6区では、1年生の小野田勇次を起用するという驚きの“采配”をみせた。小野田は三大駅伝の出場経験のない、まさにルーキーだったが、6区を快走する。区間賞こそならなかったものの、58分台の好タイムを叩き出し、トップをキープ。東洋大との差を4分以上に広げ、7区の小椋裕介へと襷をつないだ。

 その後も7区の小椋、8区の下田裕太が区間賞の快走をみせ、襷をつなぐたびに後続との差を広げた。9区の中村祐紀が最終10区の渡辺利典に襷を渡した時点で、2位・東洋大との差は6分以上。この大きなリードを保ったまま、青学大が圧倒的な強さで総合優勝を果たした。

 昨年は「ワクワク大作戦」で初優勝を飾った青学大。今年は青学大の前向きなカラーを打ち出した「ハッピー大作戦」で臨んだというが、その名の通り、襷リレーでの選手たちは笑顔にあふれていた。総合優勝直後のインタビューで「今、ハッピーですか?」と問われると、原晋監督は「ハッピー指数300%に上がりましたね」とはにかんだ。

 だが、今シーズンは青学大にとって苦しい時期でもあった。選手、監督は昨年王者としてのプレッシャーを感じ、さらに「山の神」神野大地が故障で離脱。なんとか復帰し、神野を加えて臨んだ全日本大学駅伝だったが、東洋大に敗れて2位に終わった。

 原監督はそんなシーズンをこう振り返る。

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