強風で倒れた神戸ルミナリエの電飾(c)朝日新聞社
強風で倒れた神戸ルミナリエの電飾(c)朝日新聞社

 そろそろ潮時なのかもしれない――12月11日、「神戸ルミナリエ」(神戸ルミナリエ組織委員会)の電飾が強風により倒壊した。倒壊した作品は、ルミナリエ鑑賞ではもっとも華やかな場所とされる噴水広場。日中の時間帯なので人気は少なかったが、もし夕方以降、大勢に鑑賞客が集まる時間帯での事故であれば大惨事となっていたかもしれない。

 震災関連イベントなどを手伝う神戸市職員OBのひとりはこう語る。

「第一報を聞いたときこれはもう何かの啓示なのかなと。そもそも、ルミナリエとは1995年1月17日の阪神大震災の鎮魂を目的としたもの。昨今では、当初の目的とは異なり単なるイベントと化していたので。これを契機にルミナリエの在り方を考えなければならない」

 こうした声はルミナリエ作品の順路と重なる店舗関係者の間では多々耳にするところだ。

「大勢の人が押し寄せても店が潤うわけではない。逆に人が集まることで集客が難しくなる。ルミナリエの時期、常連客はなかなか来てくれません。イベント自体をもうやめてほしい!」(アパレル店員)

 ルミナリエによる経済被害は大勢の人が気軽に店舗に入りやすいコンビニエンスストアほど顕著だ。ルミナリエ順路内にあるコンビニエンスストアではトイレの利用客しか増えないという現状がある。

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