ダメ押し点を決めた本田圭佑(左)と長友佑都(撮影・六川則夫)
ダメ押し点を決めた本田圭佑(左)と長友佑都(撮影・六川則夫)

 サッカーW杯アジア2次予選の日本対カンボジア戦が11月17日にプノンペンで行われ、日本が2-0で勝ち、グループEの首位を守った。

 今月12日のシンガポール戦からスタメン8人を入れ替えて臨んだ日本。前半はなかなか攻撃の形を作れず無得点ドローに終わる。ハリルホジッチ監督は試合後の会見で「いろんな選手にトライしたが、前半は混乱が起きていた。それは私の責任だ」と自身の非を認めた。だが、内心は日本選手の“応用力のなさ”にいら立っていたようだ。

 カンボジアはDFラインに5人、その前に4人のMFを配して守備を固める一方、攻撃はワントップのラボラビーのドリブル突破によるカウンターのみ。こうした相手には、両サイドからワイドな攻撃を仕掛けて中央の人数をはがし、手薄になったゴール前に2列目の選手が飛び込んでフィニッシュに絡むのが有効である。

 加えて、カンボジアのオリンピック・スタジアムは不慣れな人工芝だ。クッション材として使われているゴムチップがイレギュラーバウンドを誘発する。このため、いつものようなタテパスを出し入れしてスペースを作ってからの中央突破は、パスミスとカウンターリスクを招きやすい。

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