瀬古:そこが今回は違いますからね。他の大学はみんな青学をライバル視してきますし、大学や周囲からも大きな期待を寄せられる。監督、選手全員がプレッシャーを感じているはずです。これをどう乗り越えるかが最大の課題。連覇の難しさですね。

――ここ数年の箱根駅伝は、時々予想外のチームが躍進したり、古豪が崩れてしまったりと素人目には勢力図の変化が激しいように思えます。これはどうしてなんでしょうか。

瀬古:チーム数が多いということと、実力が拮抗してきているということがあると思います。昔のように、強豪校だけに強い選手が集中することがなくなってきた。いい選手が各大学に散らばるようになってきました。

――今年は青学が強いようですが、やはり全体的には拮抗している、と。

瀬古:そうですね。青学でさえ、もし山で失敗したら分からない。優勝には神野選手の快走は必須ですから、彼のプレッシャーは相当のものだと思いますよ。東洋大は前回「その1秒を削り出せ」というスローガンを掲げていましたが、まさに1秒で明暗が分かれる、1秒を大事にしないといけない時代になりました。

――今年は青学と駒澤・東洋の3チームが強いとのことですが、この3つに食い込んでくるチームがあるとすると、どこでしょうか。

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