おそらくコンディションを優先しての起用だろうが、金崎も柏木も見事に期待に応えた。金崎はタテパスを引き出してはリターンパスでリズムを作り、果敢なドリブル突破を仕掛けるなど危険な存在となった。指揮官も、金崎の先制点について「難しい、美しいゴールを決めた」と絶賛。さらに、柏木についても「パスのバリエーションとか、2~3回シュートチャンスを作り出し、ビルドアップで貢献した」と高い評価を与えた。

 ただ、後半にFKやカウンターからヘディングで“あわや”というシーンを作られたのは今後の課題材料だ。指揮官は「かなり危険なクロスをフリーで打たせた」と指摘し、DF陣が集中して守るように指示したという。

 2次予選は勝って当たり前の相手であり、ほとんどの時間帯でボールを保持して攻め続けているため、DF陣の健闘を評価することはできない。最終予選に向けての不安材料は、GKやDF陣がアジアの列強相手にどこまで対抗できるかという点だ。できれば、最終予選の前に、韓国やオーストラリアあたりと“痺れる”試合を経験しておきたい。

サッカージャーナリスト・六川亨=シンガポール)