「家庭での私は、几帳面な性格の夫から常に完璧を求められています。洗濯、掃除、家事、片付け……。どれも気を抜けません。主婦というよりも“家庭奴隷”という感じ。私に癒やしを与えてくれるのが自宅での彼との逢瀬です。そんな時間にまで外出して余計な気を遣いたくはありません」

 さすがにマイコさんもジュンコさんも相手男性と不倫関係にあることは夫には伝えていないが、“友人男性”のひとりとしてその存在はきちんと伝えている。また女性の友人関係にも、女子会、ランチ会などの場で相手男性のことは紹介済みだとか。

「夫や女性の友人にも、その存在を知らせておいたほうが、逆に疑われることもありませんから。そうしたことで余計な気を使うのも嫌ですし」(冒頭部で紹介したマイコさん)

 離婚問題に詳しい弁護士によると、離婚訴訟時、不倫の決定的証拠と裁判所に認定されるのは、「ラブホテルへの出入り写真」だという。ウチ来る不倫ではこうした写真を押さえられるリスクはない。ただし別のリスクがある。

「怪しいなと思い自宅の寝室に隠しカメラをしかけていたら、不倫相手男性と妻が性行為をしている様子が明確に映っていました。結局、元の妻と相手男性から合計400万円の慰謝料をもらい離婚しました」(前妻の「ウチ来る不倫」が原因で離婚した40代男性)

 隠しカメラの設置、急な配偶者の帰宅では、もはや言い逃れはできないこのウチ来る不倫、はたしてこれから不倫カップルの間で定着するか。今後の成り行きが注目される。

(フリーランス・ライター・秋山謙一郎)

(本文中、仮名はカタカナ)

※注 カウチポテト族:カウチ(ソファ)に座る、もしくは寝そべって、ポテトチップスを食べながらテレビをみて過ごす、もしくはそのソファに座ったまま動かず、寝そべったさまがジャガイモのようにみえることから、外出せず自宅で休日を過ごす人をこう表現した言葉。バブル期の1980年代から1990年代に日本でも用いられるようになったといわれる。