素材やサイズなどいろいろあるフライパン、どうやって選ぶ?
素材やサイズなどいろいろあるフライパン、どうやって選ぶ?
フッ素樹脂加工もこのように傷がついたら、だんだん焦げ付くようになってくる
フッ素樹脂加工もこのように傷がついたら、だんだん焦げ付くようになってくる

 どこの家にも1つはあるだろうフライパン。中でも多くの家庭で使われているフッ素樹脂加工されたフライパン(なお、テフロン加工という名称はデュポン社の登録商標で加工としては同じと考えていい)は、焦げ付かなく、錆(さ)びないので、誰にでも手軽に使えて便利だ。

 しかし、フッ素樹脂加工のフライパンには「やってはいけない」NG事項が意外に多いことをご存じだろうか。知らず知らずのうちにNG行動をしていることで、フライパンの寿命を縮めてしまっているかもしれない。そこで、フッ素樹脂加工のタブーを紹介しよう。

 第一に、強火で使用しない。フッ素樹脂加工は高温に弱く、耐熱温度は250度くらい。耐熱温度を超えるとフッ素樹脂加工の性能が損なわれて、焦げ付きやすくなるだけでなく、加工そのものがはがれる原因にもなる。ほとんどの製品に、強火で使用しないよう注意書きがあるはずだ。火加減は弱火から中火で使うのが鉄則。ちなみに中火とは、炎の先端がフライパンの底につくぐらいの強さのことを指す。

 第二に、空焚(からだ)き厳禁。食材を入れずに家庭用の一般的なガスレンジで加熱すると、1分程度で約200~300度に、5分程度でもう400度近くまで温度が上がってしまう。フッ素樹脂加工が傷むのはもちろんだが、さらに高温になって400度を超えると、人体に有毒なガスが発生することが神奈川県などの実験から明らかになっている。危険なので空焚きは絶対に避けよう。

 第三に、表面にキズをつけない。実はフッ素樹脂加工はかなり薄いため、金属のフライ返しなどでこすると表面にキズがついてしまう。キズがつくことで、そこに油や水、食品などが入り込み焦げやすくなったり、はがれたりするようになってくる。製品の中には「金属ヘラ使用OK」と表示されているものもあるが、強度が高いという意味で、加工がはげないわけではない。同様の理由で、たわしやクレンザーなどで洗うのもキズが付く原因となるためNGだ。

 また、急激な温度変化もよくない。調理したばかりのフライパンを急冷することで、フッ素樹脂加工にダメージを与えるからだ。また、作った料理をフライパンに入れっぱなしにしておくのも望ましくない。フライパンについた微細な穴(ピンホール)や傷などから、油などが染みこむことで、フッ素樹脂加工がはがれやすくなるのだ。

 手軽なはずのフッ素樹脂加工のフライパンだが、実はかなりデリケートだということがわかっただろう。

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