同氏は東京・浜田山の繁華街にベーカリー「ラ・スリーズ」(現在改装中)をオープン。念願の一国一城の主としてセカンドライフをスタートさせた。さらに、1号店が軌道に乗った今年5月には2店舗目となる新町店を東京・桜新町に開店。今では2店舗を抱えるベーカリー経営者だ。

「パンは生活に溶け込んだ日常食だと思うのです。パンが嫌いという人はあまり聞きませんし、自宅近くにベーカリーがあると困るという人も少ないと思います。ほかの業種に比べて、地域に受け入れていただきやすいのがベーカリーです」(櫻木氏)

 13坪の店舗には約30種類のパンが並び、開店時間中も小ロットずつ焼き上げることで、常に焼きたてのパンを提供することができそれを目当てに訪れるお客さんも多い。

「2号店は、1号店に比べて売上も2割ほど多く、200人を超えるお客様が毎日いらっしゃいます。半径300メートルという狭いエリアを商圏としており、いつでも好きなときに買いに行ける近所のベーカリーを目指しています」(櫻木氏)

「リエゾンプロジェクト」を通じて開業したオーナー同士の結びつきも強く、勉強会や繁盛店を見学する機会も多いという。

「このところ、独立・企業を志す方からの相談を受けることも増えました。経営者としてベーカリーを運営していくことは、思ったよりも大変ですが、ビジネスパーソンを続けていては得られない喜びもたくさんあります。オーナーとして、第2の人生を送りたいと考えている方には、ベーカリーが有力な選択肢になると思います」(櫻木氏)

 今後、よい人材と出会えれば、3店舗目もぜひオープンさせたいと櫻木氏は目を輝かせる。充実したセカンドライフを考えるのなら、ベーカリーのオーナーはいかがだろうか。