「2009年に独立支援ビジネスを事業化してから、すでに約120人のオーナーが誕生し、全国各地で独立、自営のベーカリーを営業しています。半数以上は40歳代から50歳代の元ビジネスパーソンが占めており、ほとんどの方は研修で初めてパンを焼いたという未経験者です。パンの『素人』であっても、すぐに経営者としてベーカリーをオープンできるのです」(河上氏)

 同社の直営店舗では、製パンに携わるのはいわゆる職人ではなく、パートやアルバイトが製造作業の大半をこなしている。このノウハウをマニュアル化し、小規模ベーカリー向けにアレンジ。レシピに忠実に、指定された機材を使って焼き上げることで、スタート時から15品目の商品となるパンを作ることができる。

「外観や店頭のデザインはオーナーの意向により異なりますが、当社独自のブレンドによる国産小麦を原材料に、無添加生地による製法レシピは共通化しており、販売しているパンの味は同じです」(河上氏)

 開業後に慣れてきたら、約150種類ある「リエゾンプロジェクト」の独自レシピの中から自分の店にあったものを購入して取り入れることもできる。

 開業した店舗は各オーナーの責任で運営され、フランチャイズ契約ではないという。

「開業後のオーナーは店舗経営者であり、私どもとは、ビジネスパートナーという対等な関係です。このプロジェクトは、研修費や、設備や店舗の斡旋手数料、開業当初1カ月までの契約料と、主原料となる指定小麦などの販売仲介費等で成り立っており、ロイヤリティをいただくことはありません。指定の材料を使い、レシピに沿って事業を続けていく限り、当社のサポートは続いていきます」(河上氏)

 同社によると、「リエゾンプロジェクト」によって開業後、廃業に至ったケースは10%以下だという。ベーカリーのオーナーを目指すための初期投資額は約1200万円。夢のセカンドライフが現実味を帯びてくる。

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