「会って食事するにしても女性が喜ぶようなお店を知っているわけでもないし……。かといって趣味も合わない。そうなると楽しい時間を過ごす趣味のパートナーのほうがより機能的です」(同)

 そんな趣味を謳歌するための機能別彼氏は、過去にはカラオケ、ダーツ、ボウリングとそれぞれいたとカナさんは語る。だが彼らとは、転勤や親の介護などで今ではもう途切れてしまった。現在は、大学時代、映画研究会に属していたという“趣味(映画)”を受け持つ彼だけだ。本命彼が酷評した映画も“映画彼”だと感動を共有できる。

「本当は本命彼といっしょに映画を楽しむのが理想です。でも、そもそも映画をあまり観ない人。そんな彼に映画に付き合ってもらっても、お互いにつまらないだけです。そこで映画彼の登場です。私、本命彼、映画彼、3者全員がwin-winの関係ですね」(同)

 映画彼に限らず、数ある機能別彼氏を複数使いこなすようになり、カナさんは、「本命彼に愚痴をこぼしたり、無理なことを求めることもなくなったので、かえって本命彼との関係が良好になった」と話す。つまり複数の機能別彼氏を持つことで本命彼にも優しくなれるというわけだ。そうなると本命彼の短所が目についてもノープロブレムだ。

「人間だから誰しも短所もありますよ。本命彼の欠点、そこは機能別彼氏で補えばいいや! と思えるようになります」(同)

 機能別彼氏の使い分けは、「美活効果がある」と語るのはアユミさん(40)だ。いかにも仕事のデキるといった雰囲気漂う肉感的な美人だ。落ち着き払った物腰がかえって恋愛では情熱的と思わせる。

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