「SNS内のあるコミュニティーで、私の書き込みにレスポンスをくれたのが“彼”でした。それが縁で個人的にメッセージ交換して“お友達”に……。でも、正直なところ、所詮“ネット上の人”です。実際に会うことなど想像もしていませんでした。だからやりとりを重ねるに連れて、気楽さもあって、いつしか夫への不満や子どもの教育問題も打ち明けるようになりました」(前出のナナコさん)

 そんな“ネット上の人”から“リアルの人”に変化したのは、今から3年前。彼から「もしよろしかったらお会いしませんか?」というメッセージが送られてきたのだ。

「その時点で、もう7年近く2、3日に一度はメッセージ交換していたこともあり、お互いの家族構成もよくわかっていました。なので、不思議な安心感もあって。それで都内のホテルのラウンジでお会いしました。実際に会ってみると、“SNS上と変わらない人”という印象を受けました。だから打ち解けるのも早かったです」(同)

 最初のデート以降、彼が都内に出る機会は、いつも食事や観劇、美術館観賞といったデートを重ねてきた。今では、かけがえのないセカンド・パートナーだ。お互いの家族や友人にもその存在を明かしている。

「ただ、家族にも友人にも、正直なところ『SNSで出会った』という話はちょっと気が引けるのでしていません。だから『友人の友人』の紹介で出会った――ということにしています」(同)

 ナナコさんにみられるSNSを介した出会いは、セカンド・パートナーを持つ女性の間ではよく耳にするところだ。

 大阪府に住むヒロミさん(44)もそんなSNSでセカンド・パートナー男性(50)を見つけた。ヒロミさんは地場食品メーカーに勤務する総合職、夫は公務員、小学校6年生の娘の3人暮らしだ。前出のナナコさんとは異なり、最初からセカンド・パートナーを探すため、SNSに参加した。しかし、いわゆる“出会い系サイト”の利用はしなかったという。

「出会い系サイトだと、いかにもそれを目的とした感じで気が引けてしまって……。あくまでも自然なお友達から入るという形を取りたかったので、SNSを活用しました。頻繁にSNSを更新すると、コメントして下さり、メッセージを熱心に送ってくれる方も自然と出てきます。そのうちの何人かと電話で話したり、お茶をしてたり、いちばん続く方と自然にそうなれました」(ヒロミさん)

 このようにSNSはセカンド・パートナーを探すには絶好の場として機能している現実がある。ある心理学者はその理由について次のように語った。

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