日本は05年から全国の選手がエントリーできる「トライアウト」で選手を選抜するシステムを導入した。さらに、06年には、選抜チームが千葉県を拠点に合宿生活をスタート。共同生活を送り、より団体としての一体感を高めた。また、ロシアからインナ・ビストロヴァ氏をヘッドコーチとして招聘して、技術面を強化した。新体操強化本部長の山崎浩子氏は、一連の強化策について、こう語る。

「ここ数年、団体は複雑な連携技ができるようになったことが大きい。今のルールでは落下による減点が大きく、落下を防ぎながら、ギリギリのラインで攻めた演技が重要になる。そうした面で以前より攻めた演技ができるようになり、チーム力も上がってきた」

 こうした意識は選手にも浸透している。それは彼女たちのコメントからもうかがえる。

「団体で投げが乱れたときも、お互いに『絶対に取りにいくんだ!』という強い気持ちのあるチーム」(団体メンバー・畠山愛理)

「ミスをしなければ、表彰台も届く位置に来ているんだと感じました」(団体チームリーダー・杉本早裕吏〈さゆり〉)

 いずれも、自らの成長を実感しているようだ。ただ、今回の結果で無視できないのが、他の強豪チームでミスが相次いだこと。ベラルーシやブルガリアなどの強豪国がミスを連発したのに対して、日本は大きなミスがなくまとめて、上位に食い込んだ。

 実力的には、これらの国は、日本より上であることには変わらない。とはいえ、正念場で実力を発揮できるチームになっていることは確かだ。間近に迫った来年のリオ五輪まで、どんな成長をみせるのか期待が高まっている。

(ライター・横田 泉)