とはいえ、医師のみならず、発症後、通うようになった眼科に強いと評判の鍼灸師からは、「日々、ご自身でもケアして、すこしでも体内に吸収させましょう」と発破をかけられた。毎日、鍼灸師から薦められた「ローラー鍼」でのケアを、自分で毎日10分から15分程度行っている。日常生活では、食事は高血圧を意識して塩分控えめ、食べる量も少なめにしている。酒やたばこを一切やめた。そのおかげか、体重は発症時から本日、2015年9月14日時点で、82kgから78kgに痩せた。左眼視野も随分と広がった。

 今回、眼底出血による視野狭窄で、私はフリーランス・ライターという職を失うことを覚悟した。もし、私が、眼痛を自覚した時点で病院に駆けつけていれば、左眼視野の一部を失うことはなかったかもしれない。おかしいと思えばすぐに受診する、これがなぜできなかったのか、今更ながら悔やまれてならない。

 だが、眼底出血、あるいは高血圧とは、意外にもその自覚症状はないものだ。血圧が単に上昇しただけでは、そうそう体に何か異変があるわけではない。眼底出血にしても、私の場合、むしろ出血後のほうが痛みなどの自覚はなかった。

 日頃から健康に留意し、運動をする、食生活に気を配る、定期的に血圧を測るなどし、かかりつけの医師との連携をはかっていれば、さほど大きく健康を損なうことはない。左眼視野の一部を失った今がからこそ、よくわかる。一病息災、今後は人一倍、健康に留意した生活を心がけたい。

(フリーランス・ライター 秋山謙一郎)