紹介された病院では、丸1日かけて両眼の検査と血液検査を受けた。それまで高血圧の既往症はなかったが、この日の血圧は上が180mmHg、下は150mmHgを超えていた。この検査結果を受けて、今度は、血液内科で著名な病院で血液の精密検査を受けてくるよう指示された。発症以来、約5日間連続の病院通いだった。この時点でもどの医師からも明確な病名はつけられることがなかった。

 血液検査結果判明後、新たに主治医となった眼科医は、他の医師を呼び、意見を求めつつ、患者である私にこう丁寧に病状についてこう説明する。

「網膜中心静脈閉塞症ではありません。一時的な血圧上昇による眼底出血という診断です。今、欠けている視野は、残念ながら元に戻らないかもしれません。なぜなら、視神経の近くの血管が詰まり、破裂していたからです。今後は、食生活を改善して、規則正しい生活を心がけて下さい。それを守らなければ、もうひとつの眼も眼底出血を起こす可能性があります」

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