北海道北竜町のひまわり迷路は「日本最大級」(北海道北竜町提供)
北海道北竜町のひまわり迷路は「日本最大級」(北海道北竜町提供)
富山県立大学の農場では迷路の全景を見ようとする子どもの姿が 
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富山県立大学の農場では迷路の全景を見ようとする子どもの姿が
山形県天童市では都内の児童との交流に合わせて花が咲く(山形県天童市提供)
山形県天童市では都内の児童との交流に合わせて花が咲く(山形県天童市提供)
千葉県船橋市金杉小学校のひまわり迷路はあの人気キャラクターが……(千葉県船橋市広報課提供)
千葉県船橋市金杉小学校のひまわり迷路はあの人気キャラクターが……(千葉県船橋市広報課提供)

 ひまわり畑で、かくれんぼをした覚えは、ないだろうか? 日陰にしゃがむと畑の土は、ひんやり冷たい。太陽を追って向きを変える花が時計代わりだった……。全国各地にある「ひまわり迷路」を訪ね、幼いころの夏の思い出を振り返ってみるのはいかが?

 「日本一」と謳う迷路があるのは、北海道北竜町。7月18日から8月23日まで「ひまわりまつり」が開催されている。約23.1ヘクタールの畑に約150万本のヒマワリが植えられ、その中に二つの迷路がある。一方の約2.5ヘクタールのスペースには「I HAVE A DREAM」の文字が描かれ、約2.3ヘクタールの方は入り組んだ道が続く迷路である。

 今年で29回目を迎えた北竜町の「ひまわりまつり」は、地域おこしの意味合いが強い。JA関係者が研修で訪問した旧ユーゴスラビアで「すごい!」と息をのんだ風景を再現する形でスタートした。

 千歳空港から車で2時間半かかるが、北竜町の担当者によると、「本州はもちろん、中国などアジア各国から観光客が訪れます」とのこと。小高い丘から一望できる黄色のじゅうたんのような風景は、「一見の価値あり」である。

「連作障害によりスタート当初に比べてひまわりが低くなってきたことが目下の悩み」と担当者。それでも女性の背丈ぐらいはある。子どもたちがかくれんぼをするには十分な高さだ。

 富山県射水市にある富山県立大学の農場には、大学生と近隣の高校生、幼稚園児が育てたひまわり畑がある。約50アールにヒマワリが約5万本植えられた畑のうち、30アール、約3万本分のスペースが迷路となっている。毎年、迷路のデザインを学内で公募しており、今年は工学部環境工学科4年生・杉村直昭さんの「かがやき迷路」が採用された。今春開業した北陸新幹線にちなんだ図案である。

 ひまわりの種からバイオディーゼル燃料を製造し、エネルギーを作り出すことの大変さを学ぶために栽培したのが始まり。大学が地域貢献を目的として畑の中に迷路を造ったところ、家族連れが訪れる人気スポットになった。「元気に遊んだ後は、帰ってお絵描き」と3人の女児を連れた母親は話す。アマチュアカメラマンの姿も一日中、絶えない。

 山形県天童市では、干布(ほしぬの)地域づくり委員会によるひまわり迷路が国道13号沿いを彩っている。干布小学校と東京都新宿区・四谷小学校の児童が行き来する交流行事に合わせ、15年前から続いている。約50アールに約5万本のひまわりが花を咲かせ、高さ約2メートルに育ったものもある。

 千葉県船橋市の金杉小学校に併設した畑では、児童や地域の農業関係者、住民らが育てたひまわりが見ごろを迎えた。子どもに人気のアニメキャラクターが描かれた迷路は格好の遊び場であり、校舎の屋上からの眺めもユニークだ。

 このほか、北海道千歳市の小川農場、岩手県雫石町の小岩井農場、福島県のリステル猪苗代、栃木県野木町、東京都西東京市、茨城県つくば市のみずほの村市場、大阪府交野市など全国各地で、ひまわり迷路を楽しむことができる。

(ライター・若林朋子)