ファンはゲームで擬人化された日本刀の実物を見ようと、美術館や博物館を“巡礼”も行う。東京国立博物館では、豊臣秀吉や徳川家に代々伝わった国宝「三日月宗近(みかづきむねちか)」をはじめ、「厚藤四郎(あつとうしろう)」「獅子王(ししおう)」の展示が決定したところ、問い合わせが殺到。一時、Webサイトはアクセス困難な状況にまで陥った。ちなみに、ゲームでは三日月宗近は細身の美男子、獅子王は金髪のヤンチャ系男子と、それぞれ魅力的な姿に擬人化されている。

 また、ゲームで硬派なイケメンに擬人化された日本刀「同田貫(どうだぬき)」も、その影響で人気が高まっている。同田貫を約40本所蔵する、本県の玉名市立歴史博物館には関東や関西からも若い女性が続々と訪れ、入館者は数カ月で去年1年間の来館者数を上回ったという。入館者が同田貫の模造刀と一緒に写真撮影できる特設コーナーも人気だ。

 さらには、日本刀に魅せられた女子たちが集う「お刀女子会」もブームに。SNSでは、刀剣を愛する女子たちのコミュニティーが激増中。日本刀鍛錬や鑑賞講座などのイベントに足を運んでいるという。参加した女性は「何百年も前の刀が現存し、さらに妖怪退治や切れ味などの逸話もある。きっかけはゲームだったけれど、知れば知るほど面白い世界」と話す。刀に隠された歴史ドラマは、これからも女性たちを魅了しそうだ。

 これに加えて、4月からは同じくDMMから刀剣を女子高生に擬人化したゲーム『しんけん!!』がサービスを開始した。これが人気になれば、今後はお刀女子ならぬ“お刀男子”が登場するかもしれない。

(ライター・渡辺 恵理)