ひとつは地方公務員が都内に出た際の宿泊施設として知られる「全国町村会館」(千代田区)だ。シングル平日利用で約1万2600円と民間ビジネスホテルのそれと比べると1000円程度安い。

 これからの夏休みシーズンだと、民間の都心ビジネスホテルが「1万8千円での提供もあり得る」(都内ビジネスホテル関係者)ことから5000円近く安価での宿泊が可能だ。

 平日1万円以下で宿泊できるところもある。防衛省・自衛隊と縁の深い、“自衛官の帝国ホテル”と呼ばれる「グランドヒル市ヶ谷」(新宿区)だ。6月に限っては平日利用で8850円からで、同時期の民間ビジネスホテルに比べ約1000円から3000円も安い。

 全国町村会館もグランドヒル市ヶ谷も、バス・トイレ付朝食なし素泊まりでの料金である。もちろん地方公務員、自衛隊員でなくとも誰でも利用できる。公務員、自衛官やそのOBならば、さらに格安での利用も可能だ。いずれも国会議事堂近く、東京・市ヶ谷の防衛省横という好立地だ。

 5000円以下の宿泊費での提供するホテルもある。香川県の人が都心に出た際の拠点としてつくられたという「東京さぬき倶楽部」(港区)だ。最寄り駅が東京メトロ・日比谷線・麻布十番駅と都内各所へのアクセスもよい。バス・トイレなしだが、シングルで平日利用が1泊4000円程度での宿泊できる。

「たしかに安価かもしれない。だが大浴場があるとはいえ部屋にバス・トイレがないのがきつい」(前出のメーカー勤務男性)

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