シンガポール戦でゴールを決められなかった香川真司(撮影・六川則夫)
シンガポール戦でゴールを決められなかった香川真司(撮影・六川則夫)

  監督に就任して3連勝のハリルホジッチ監督でも、W杯予選初戦の“呪縛”から逃れることはできなかった。6月16日、埼玉スタジアムにシンガポールを迎えての2018年ロシアW杯アジア2次予選は、日本が試合開始から猛攻を仕掛けて、23本ものシュートを放ちながら、シンガポールの堅守を崩せず、0-0のドローに終わった。

 過去のW杯予選初戦で、日本は苦戦を強いられてきた。初出場となった98年フランス大会はオマーンに1-0、06年ドイツ大会も93分の決勝点でオマーンに1-0、そして14年ブラジル大会は94分のゴールで北朝鮮を振り切った。W杯予選の初戦が引き分けだったのは、なんと90年イタリアW杯予選が行われた89年まで遡らなければならない(0-0香港)。このため試合後のハリルホジッチ監督も驚きを隠せず、次のように語った。

「長い間の人生でサッカーをしてきたが、このような、19回ほど得点機会を作りながら、このような試合を見たのはサッカー人生で初めて。ショックというほどではないが、それに近い感覚はある」

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