熊本城を守るように鎮座する加藤清正の銅像
熊本城を守るように鎮座する加藤清正の銅像
熊本城
熊本城

 西南戦争で西郷隆盛が攻め落とすことができなかった難攻不落の城、本城。豊臣秀吉の家臣であった猛将・加藤清正が築いたこの城には、隠された「野望」があった――。

そんな歴史の裏側を解き明かすのが、BS朝日「歴史ミステリー 日本の城見聞録 熊本城 大坂城 姫路城 豊臣秀吉 野望実現の生涯」(6月7日21:00~22:54)だ。俳優の篠井英介さんが城案内人となり、さまざまな城建築の背景に迫る。

 そのなかで取り上げた城のひとつが、加藤清正が築いた熊本城。鉄壁の防御を誇っており、川を利用した堀や堅牢な石垣、迷路のような本丸までの道のりなどが侵入者の行く手を阻む。

 そんな熊本城で、天守を守る上で要ともなる存在が、巨大な宇土櫓(うとやぐら)だ。熊本城の西側に張り出すような場所に建てられており、本丸を守るための重要な拠点であった。櫓の内部には狭間(さま)と呼ばれる鉄砲を撃つ穴があり、300メートルほどの範囲まで威力があったという。この他にも、侵入者に対して石や煮えたぎった油を落とす「石落とし」など、本丸を守るための防御システムが満載だ。

 そしてこの宇土櫓、防御の要なだけあって、石垣もかなりの高さがある。20メートルもある石垣は、6階建てのビルの高さに相当する。その高さは熊本城随一だ。

 この石垣、実際に侵入者にとってはどれほどの障害だったのか。というわけで、番組ではベテラン・ロッククライマーに依頼して宇土櫓の石垣登りに挑戦してもらった。

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