本当は日本が大好きな中国人(朝日新書)福島香織著定価:886円(税込み)Amazonで購入する
本当は日本が大好きな中国人(朝日新書)
福島香織著
定価:886円(税込み)
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 AKBグループによる41枚目のシングルの選抜メンバーを競う「第7回選抜総選挙」の開票イベントが、6月6日に福岡ヤフオクドームにて開催される。

 AKB総選挙では、投票権はCD1枚を買うことで1票が得られる。ファンの投票数により、新曲を歌うメンバーを選出し、最多得票者が「センター」に選ばれるというシンプルな仕組みのため、自らの“推しメン”(推しているメンバー)を勝たせようと何百枚、何千枚とCDを購入し、投票するという熱いファンも続出している。

 さらに近年、同選挙で「中国票」が大量投入される事態となっているのをご存知だろうか。

 たとえば昨年6月の「第6回選抜総選挙」では、1位に輝いた渡辺麻友の得票数15万9854票のうち3万5000票余りは中国のファンによる投票で、結果を左右する決定的な役割を果たしている。また、一昨年に開催された前々回の「第5回選抜総選挙」でも、1位に輝いた指原莉乃に9108票の“チャイナ票”が投じられているのだ。
 
 産経新聞の元中国総局特派員で、フリー記者の福島香織氏は、新著『本当は日本が大好きな中国人』の中で、この件についてこう触れている。

「中国のAKBファンのものすごさについては、『そのうち腎臓を売るやつがでてくるぞ』といった揶揄が出てくるほどである。(中略)こういう若いファン心理を狙って、中国では早くも投票権転売ビジネスが流行し始めている。第6回選抜総選挙前には、中国人ブローカーは在日中国人ネットワークを使って組織的に大量にCDを買い込み、『淘宝(タオパオ)』などのショッピングサイトで投票権などを売り出していた」(同書より)

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