「C3-PO」と「R2-D2」(C)&TM Lucasfilm Ltd.
「C3-PO」と「R2-D2」(C)&TM Lucasfilm Ltd.
旧三部作のメインキャラクター(C)&TM Lucasfilm Ltd.
旧三部作のメインキャラクター(C)&TM Lucasfilm Ltd.

 ストーリーはさっぱり不明ながら、これまでのシリーズを思い起こさせる映像が連発され、ラストでは懐かしのあの人が「Chewie, We're Home」と呟きながら相棒とともに登場して全世界のファンが歓喜の雄たけびをあげた『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』予告編第2弾。本編の公開は半年以上も先の年末だというのに、もういてもたってもいられねえ!

 そんなファンの皆さまのため、4月29日から6月28日まで、これまでのシリーズ6作品を振り返る『スター・ウォーズ展 未来へつづく、創造のビジョン』が東京・六本木ヒルズで開催中だ。

 入場すると最初に目に入るのは、上空に浮かぶ帝国軍の宇宙要塞デス・スター。周囲の壁面にはストーム・トルーパーが群れをなしてこちらに銃口を向け、目の前にはダース・ベイダーその人が立ちふさがっている。『スター・ウォーズ』シリーズは、帝国軍の支配に抵抗する人々が反乱軍を組織して戦いを挑む物語。最初からいきなり帝国軍にお出迎えされ、早速映画の世界に放り込まれたような気分。鳴り響くのはもちろん「帝国のマーチ」だ。

 帝国の力は強大だが、『スター・ウォーズ』の魅力を支えるのはそれだけではない。ここから先はシリーズを構成する要素を6つに分類し、それぞれにゆかりある貴重な展示物が並ぶ。

 「スター・ウォーズの原点」と題されたブースでは、『スター・ウォーズ』の生みの親ジョージ・ルーカスが、壮大な世界観を生み出すために参考にしたジョーゼフ・キャンベルの神話学や冒険活劇『フラッシュ・ゴードン』、黒澤明監督の映画『隠し砦の三悪人』などにまつわる書籍類が展示されている。

 続いてのブースは「フォースの光と闇」。崇高にして神秘の力「フォース」を身につけた者の一部が、その力の魅力にあらがえず暗黒面へと落ち、帝国に取り込まれていくのも、シリーズを通しての重要なテーマ。ここではフォースを操る者が武器とするライトセーバーが主な展示物となる。

 「戦いと兵器」のブースでは、劇中で描かれる局地戦を再現したジオラマや、精巧なミニチュアの兵器類が展示されている。模型好きのファンなら垂涎もののブースだろう。

 そして、メイン中のメインといえるのが「サーガと運命の肖像」のブース。ルーク、レイア、ハン=ソロ、ダース・ベイダーらはもちろん、劇中ではさほど活躍しないのに熱烈なファンを持つボバ・フェットや、凍結されたハン=ソロなどの、実際に撮影で使用された衣装、道具類がずらり。ダース・ベイダーのマスクは分割した状態での展示もされているので、その構造を確認することも可能だ。

 物語に直接はかかわらないものの、多種多様な種族や文化、文明が設定され、作品世界に厚みをもたらしているのも『スター・ウォーズ』の魅力。「銀河と生態系」ブースではそうしたクリーチャーが所狭しと展示されている。横たわるジャバ・ザ・ハットは縮小版のレプリカとはいえ、なんとふてぶてしいことか。

 ラストは「ドロイドが見たサーガ」。冒頭に展示されていた『隠し砦の三悪人』で主人公の三船敏郎にこきつかわれる「二悪人」をモデルとしたドロイド(≒ロボット)コンビの「C3-PO」と「R2-D2」は、シリーズ全作を通して登場するキャラクター。彼らの登場シーンを編集した名場面集を見ながら展示は終了となる。

 膨大な関連グッズを扱うショップや、屋上のスカイデッキに設置されたライトセーバーを構えるダース・ベイダー(記念撮影可)、各ブースのテーマに沿った著名アーティストたちによるイメージアートなど、見どころはまだまだ多数。『フォースの覚醒』から始まる新三部作を完璧に楽しむために、これまでのシリーズを「スター・ウォーズ展」で、フォースを研ぎ澄まして復習しておこう。May The Force Be With You!

(ライター・田中元)

『スター・ウォーズ展 未来へつづく、創造のビジョン』
日程:4月29日(水・祝)~6月28日(月)
会場:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内スカイギャラリー
http://www.roppongihills.com/tcv/jp/sw-visions/