日本ハムが率先して行ったのが高校生を主体にした指名で、その有効性に気づいたパ・リーグ各球団が続いている。これが近年のドラフト戦略の概略で、昨年のドラフトを例に取れば、高校生を指名して獲得した選手はセ・リーグの9人に対してパ・リーグは23人と多かった。

 高校生を主体にしたドラフトを推し進めるパ・リーグ球団が過去10年、日本シリーズで7勝3敗とリードしているのは果たして偶然だろうか。現在、セ・リーグの上位を走るDeNA、ヤクルトに高卒野手が多く、打撃10傑に川端、石川、筒香、雄平、平田と5人もいるのに、大卒・社会人出身は10位・阿部慎之助(中央大卒・巨人)しかいない。これらも偶然なのだろうか。

 まだ、シーズンが始まったばかり。これからどう変わっていくかわからないが、DeNAの高卒野手を主体にしたチーム作りはしばらく変らないだろう。20歳代の高卒野手と中畑清監督の元気さが相乗効果となって、今のDeNAは気持ちのいいくらい勢いがある。

(スポーツライター・小関順二)