それは、ある有名な漫画家との話だった。

「うちの母が、父親を亡くして、すっごく落ち込んだの。もう、あとを追って死ぬかと思った」

「そして、どうされたのですか……」

「それがね。元気づけようと思って『冬のソナタ』のDVDを渡したの。そしたら、それを見ているうちにすっかり元気になって、韓国に遊びに行くようになったの」

 この話を聞いて、妙に納得したのは、わたしだけじゃないはず。

 わたしの知人の女性も、韓流ドラマにはまって、韓国語を勉強したり、韓国に行くためにパートを始めたりした。

 そして、今や、昼メロだけじゃない、深夜にやる夜メロという言葉もできた。

 深夜に結構激しい恋愛ドラマをやっていてる。

 しかも、俳優はイケメン。女優もそれなりに熟女。

 それでも、わたしたちよりもはるかに若いはずなのにわたしを含めて、すっかり、自分がその女優になった気分で見ている。

 また、キャッチコピーもいい。

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